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とらのあなに色々と委託中です。ウィルグラ再録本ウィルグラ本ベアトリクス乱交本

2016年3月17日木曜日

【合同誌サンプル】それが恋とも知らずに

グラン受け合同誌のサンプルです。



 表の顔は、柔和な聖職者。
裏の顔は、人間に愛想を尽かして悪人を裁き、魔物に異常な愛をそそぐ研究者。
そんなウィルが、グランにやたらちょっかいを出すようになったのは最近のことだ。
少し前までは、この甲板にうずくまって頭を抱え、魔物に会いたいと暴れて禁断症状を出していた。
それが今や、グランを見つけては、グラングランと毎日元気につきまとう。
元を辿れば、グランがルリアと命を分け合っていると知って興味が湧いたらしいが、甲斐甲斐しくグランの世話を焼く態度は、周囲からは恋していると見えるほどだった。

それから、グランは毎日、ウィルの部屋で一緒の時間を過ごすようになっていた。
普段であればそんな暇はないのだが、幸か不幸か、騎空艇が次の島に着くまでは日数がかかる。従って、グランが団長の業務を終え、自由に動ける夕食後の時間は、毎晩ウィルに呼ばれる羽目になっていた。
ウィルの室内に設置された本棚には、たくさんの厚いノートが整然と並べられていた。背表紙の文字から、全てが魔物関係のレポートだと分かる。その他にも、市販の魔物辞典や図鑑がちらほら見える。
この日もウィルはノートに書き込みをしていた。

「それじゃ、グランがルリア君の中に隠れたり、ルリア君がグランの中に隠れたりできる、と
「そうだよ」
「へえ 一度見てみたいなあ」

ウィルは興奮した様子で記入する。
部屋に呼ばれるようになった当初は、何かされるのではないかと思っていたグランだったが、お茶を出されて談話するだけで、特に変なことはされていない。
普段の突拍子もない言動からは想像できないほど、至って優しく紳士的だった。
ウィルはグランと出会った頃は、人間より魔物が美しいと言っていた。人間は醜い、と。
そんなウィルが、最近は人間相手にも優しさを見せたり笑顔を向け始めている。今日も珍しくラカムと言葉を交わしていた。
グランはそれが嬉しかった。
ひととおり話が終わった後で、ウィルが切り出した。

「ねえ。グランがルリア君に治してもらったっていう傷跡、見せてくれないかい
「ええ

グランは戸惑った。
過去に、エルステ帝国とのいさかいにより、グランは一度死んだ。そこをルリアが不思議な力を使って、グランは命を分け与えられて生き長らえた。
それがウィルの好奇心を刺激したらしく、グランが今のように執着されることになった理由のひとつでもある。
そして、グランの腹部にはその時の傷跡がある。最初は辛うじて塞がっていただけのひどい有様だったが、段々と傷跡は薄くなってきている。
「いや、それは……恥ずかしいっていうか」
何と断ろうか迷い、グランが正直な気持ちを口にすると、ウィルは真面目な顔でグランに言った。
「恥ずかしい それじゃ」
ウィルは立ち上がると、礼装とお揃いの水色の聖帽を取り、テーブルの上に置いた。そして、じゃらじゃらと装飾のついた首飾りを首から外して置く。
その行動の意味が分からず、グランがウィルを見ると、今度は首から下げている十字架の刺繍の入った帯と外套を脱いで、同じくテーブルの上に置く。

「僕も脱ごう。それでいいかな
「えっ……!?
グランの返事も聞かず、ウィルは水色の聖服を脱ぎ始める。
慣れた手つきで前側についたボタンを外して肩を出すと、厚さで重みのある衣装はストンと落ち、水色の花が咲いたかのように床に広がった。
「あ、ちょっと、ウィル……」
ウィルは既にあと一枚で裸、というところまで来ていた。
薄手の生地がひらりと揺れる。普段、ウィルの礼服のスリットから見える白いスカートの部分だ。それは女性の長袖の白いワンピースのようだった。
ウィルはそれを頭から脱ごうとする。
普段のゆったりとした厚着の外観からは予想もつかない、筋肉で引き締まった裸体が目に入り、グランの心臓は跳ね上がる。かなり鍛えている様子だった。

「脱がなくていいよ いいから
グランが立ち上がって制すと、ウィルは拍子抜けした声で応える。
「おや、そうかい
脱ごうとした手を止め、ウィルは白い肌着を着なおして整える。
鼓動が早い。
思い返してみると、グランと出会う前のウィルは裏稼業として暗殺をしていたという。それであれば、あの身体つきも納得がいく。
「それじゃ、見せてくれる
グランが考え事をしてる間に、ウィルが真横に立っていた。
グランのズボンに軽く手を突っ込み、肌着を掴むと上に引き上げる。
「うわっ」
その性急さに焦るが、グランはたちまち服をめくられ、腹を露出させられていた。春先のまだ冷たい空気が肌に触れる。

「横になって」
ウィルはベッドに座らせ、そのままグランを押し倒す。
何故に寝る必要があるのだろう、とグランは焦り、背中に冷や汗をかく。木の板を貼り付けた天井が視界に入った。
グランは布団がたわむ感触を後頭部に感じ、目の前のウィルを見返す。ウィルはグランの思いもよそに、腹を検分するようにじっと見ていた。
腹部には真横に裂けたような大きな傷跡がある。ルリアから命を分けてもらった証の。
ウィルが嘆息する。

「縫合跡がないのに、綺麗に塞がっている。不思議だね」
感慨深そうにそう言い、ウィルがそっと傷跡をなぞる。指先から体温が伝わり、グランはくすぐったさに微かに身じろぎする。
ウィルが手のひらを傷跡に当てて呟いた。
「神の加護を」
淡い光と熱がウィルの手から生まれ、グランの中へと消える。ウィルが得意な治癒術、慰籍だ。独特の温かさを感じたが、それで傷跡が消えることはない。
「なるほどね。ルリア君じゃないとできない訳だ」
ウィルは考え事をしながら、執拗に傷跡を指先でなぞる。
くすぐったさがゾクゾクとした奇妙な感覚へと変わり、グランはどっと下腹部に血が流れ込むのを感じ、どきりとした。
この感覚はまずい。

「も、もういいよね
ウィルの手を掴んで、グランは飛び起きた。
おや、といった顔でウィルが見る。
「もう気が済んだみたいだから」
「ああ、そうだね。ありがとう」
ウィルはグランの服を整えようと腰に手を回し、グランは慌てて突き放した。
「自分でやるよ」
「そうかい
グランは急いでシャツをズボンの中に入れ直した。


~合同誌へつづく~